カネイワ醤油本店のはじまりは、明治時代後半。
かつて自給自足の暮らしが当たり前だった頃、この小川村では各家庭で醤油や味噌が作られていました。そんな中、岩本家で造る醤油が「美味しい」と評判になり、近隣に分けるうちに、やがて集落の醤油づくりを担うようになりました。

より良い醤油づくりを目指した初代・岩本政吉は、醤油の本場として知られる紀州湯浅で技を学び、本格的な醸造の道へと進みます。

政吉は、もともと暮らしていた小川の地で蔵を持つことを志し、高野山系の恵みを受けた良質な水「空海水」に惹かれて、そのそばに蔵を構えました。こうして大正元年、小川の地でカネイワの醤油づくりが始まりました。

それから100年以上。
自然豊かな土地と清らかな水に支えられながら、蔵の木桶では今日も醤油が静かに発酵し、熟成を重ねています。

昔ながらの製法で生まれる本物の味と香りを、紀州有田の地から今も変わらずお届けしています。

伝統を守る醤油づくり
伝統を守る醤油づくり

高野山に連なる紀伊山地に囲まれた、有田川町小川。
高野山系の恵みを受けた伏流水「空海水」と、みかんの育つ温暖な気候に恵まれたこの土地で、
カネイワの醤油づくりは育まれてきました。

農家の営みの中から始まった醤油づくり。
この土地の水、気候、木桶に棲みつく微生物、人の手が重なり、
ここにしかない味わいをかたちづくっています。

伝統を守る醤油づくり

カネイワ醤油本店の醤油づくりは、
自然と時間にゆだねるところから始まります。

大豆と小麦から麹をつくり、塩水と合わせて諸味(もろみ)を仕込み、
木桶の中で発酵と熟成を重ねていきます。
蔵人が日々見守るなか、酵母や微生物が静かに働き、
深い味わいと香りが育っていきます。

こうして四季を二度越えて育った諸味から、
カネイワならではの醤油が生まれます。

素材の吟味
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素材の吟味

醤油の原料である丸大豆と小麦は、厳選した国産素材を使用。仕込みに使う塩も、こだわりの天日塩です。シンプルな原料だからこそ、一つひとつの質を大切にしています。

原料処理(大豆蒸煮と麦炒り)
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原料処理(大豆蒸煮と麦炒り)

大豆は一晩以上水に浸した後、圧力をかけて丁寧に蒸し上げます。小麦は香ばしく炒ってから粗く砕き、麹づくりに適した状態に整えます。とくに大豆の蒸煮は、醤油の旨みを左右する大切な工程です。

大豆と麦を種麹とあわせる
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大豆と麦を種麹とあわせる

原料処理した大豆と小麦に種麹菌を均等に混ぜ合わせ、麹室(こうじむろ)に入れます。ここから、醤油づくりの要となる麹づくりが始まります。

麹をつくる
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麹をつくる

麹室の温度や湿度を整えながら、昼夜を問わず麹の状態を見守ります。ここで育つ麹の良し悪しが、醤油の味を大きく左右します。

木桶で、ゆっくり育てる
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木桶で、ゆっくり育てる

麹ができたら、塩水を張った木桶に入れ、諸味を仕込みます。およそ二年、日々その状態を見ながら手を入れ、発酵と熟成を見守ります。木桶に住み着いた酵母や微生物が働き、旨みと香りがゆっくりと育っていきます。

諸味を搾って醤油にする
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諸味を搾って醤油にする

熟成した諸味を、昔ながらの方法で布に包み、何枚も重ねて搾っていきます。搾りたての醤油は、まだ火入れをしていない「生揚げ醤油」です。

火入れをして瓶に詰める
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火入れをして瓶に詰める

搾ったままの醤油の中では、酵母がまだ生きています。そのため火入れを行い、発酵を止めて味と香りを整えます。その後、一本ずつ瓶に詰めて完成です。

伝統を守る醤油づくり

醤油づくりの要となるのが、麹づくりです。
仕込みは寒い時期に行われ、蔵人は温度や湿度を見守りながら、麹がきちんと育つまで寝ずの番を続けます。

良い醤油は、良い麹から。
そして良い麹は、良い原料と職人の技から生まれます。
蔵人は五感を使って麹の状態を見極め、丁寧に仕上げていきます。

こうしてできた麹から仕込まれた諸味は、木桶の中で四季を二度越える「八つの季節」をかけて熟成します。
蔵に棲みつく酵母や微生物、自然の力が重なり合い、カネイワならではの深い味わいが生まれます。

伝統を守る醤油づくり

カネイワ醤油本店では、昔ながらの木桶で醤油を仕込んでいます。
いまでは木桶で仕込む蔵は全国でも少なく、とても希少な醸造方法となりました。

長い年月を重ねた木桶には、蔵に棲みついた酵母や微生物が息づいています。
その働きが、他では出せない奥行きのある味わいと香りを育てます。

時間、自然の力、蔵人の手仕事、そして木桶がつくる環境。
そのすべてが重なり合い、カネイワならではの醤油が生まれます。

伝統を守る醤油づくり

時を重ねて生まれる、
深い一滴。

清らかな水、木桶に息づく微生物、蔵人の手仕事。
自然とともにゆっくり育つ醤油を、
これからも変わらずお届けします。